となりのカフカ

となりのカフカ (光文社新書)

となりのカフカ (光文社新書)


目次
はじめに
第1章 サラリーマン・カフカ
第2章 カフカ家の一日
第3章 虫なった男
第4章 メカ好き人間
第5章 健康ランドの遍歴
第6章 手紙ストーカー
第7章 性の匂い
第8章 ユダヤカフカ
第9章 独身の選択
第10章 日記のつけ方
第11章 小説の不思議
第12章 カフカ・アルバム
     プラハ案内とともに
     「カフカの生きたプラハ」地図
     フランツ・カフカ略年譜
あとがき


この間の状況は多少とも、カフカの小説と似ており、小説に劣らず、奇妙で、真剣で、かつおかしいのだ。
(p.99)

根本的なまちがいがあった。つまりカフカにとっては、小説そのものが日常の記録にひとしかったということ。創作の切れはしが、つまりはカフカは日記だった。だから当然のとこながら、小説を書いているあいだは日記がとだえる。日付入りの日記をつけるときは小説が書けなかった。
 いかにも日記の余白に、うねうねと小説が入りこんでいる。
(p.155)