向田邦子 映画の手帳

「何だか貧乏たらしくて、しんみりして、うしろめたくていい」と、庶民感情の泣きどころを、バサリ押えつけて切りとってみせる。この表現の裏側には、あの生き生きと輝く瞳が絶え間なく光っていたのだ。ひと一倍おしゃれで贅沢な人が、こうして、みみっちいことにこだわった、挑発的にさえ思えるその筆致の底に、スタイリストの計算しつくされたシニシズムがひそんでいたのだと思うのである。


pp.163-164
若き日の面影によせて  ー面のプロフィール
上野たま子

「映画記事」で紹介される映画

媚薬
ママは腕まくり
バターフィールド8
芝生は緑
恋はすばやく
ローヤル・バレエ、マーゴット・フォンテインによるオンディーヌ


ボーイ・ハント


危険な関係
すべては夜に始まる
日曜には埋葬しない
ペペ
名もなく貧しく美しく


赤と青のブルース
ひと夏の情事


さよならパリ